警備業と労災

厚生労働省の統計によると平成30年度の死亡災害は全産業で909となっております。

第三次産業小売業やサービス業などは243でした。

更に内、警備業をみますと残念ながら31名の方が労災で命を落としております。 

それでは死傷災害(休業日以上の死傷者が発生した労災)に目を向けるとどうでしょう?

全産業で127,329件、警備業では1,760件でした。 

 

労災が多いだろうと思われる他業種との比較では製造業が死傷災害27,842件(死亡災害183件)、建設業15,374件(309件)、運輸交通業17,783件(112件)となっております。

これを割合で見ると、建設業にならび警備業の労災は死亡災害に至る割合が高いと言えます。 

なお警備業において死傷災害要因の件数順で見ると最も多いのが転倒、次は(道路での)交通事故、その次は動作の反動・無理な動作となります。

以下、墜落・転倒、高温・低温の物との接触となります。 

どの産業においても労災を回避する為の努力はしていると思いますが、労災が重大なものにつながりやすい警備業において、安全や労災回避に関する教育はより重要なものとなります。 

 

『ハインリッヒの法則』はご存知でしょうか?

つの重大事故の背後には29の軽微な事故があり、その背景には300の異常が存在するというものです。 

ここで言う重大事故とは上に書いてあるものでいうと死傷災害(休業日以上の死傷者が発生した労災)です。

軽微な事故とは赤チン災害という表現される病院に行くまでもない怪我程度の事故です。

『異常』とはヒヤリハットのことです。 

 

つまり1つの死傷災害の背後には29の赤チン災害があり、その背景には300のヒヤリハット(幸い事故には至らなかったものの「ヒヤリ」とした「ハッとした」というがあるということです。 

つまりヒヤリハットを減らすことでこそ、労災を減らすことが出来るのです。

それではヒヤリハットをどう減らすのか?

日々のヒヤリハットを吸い上げて共有し、そのヒヤリハットを潰す対策を社内で練り、それを告知・徹底することです。 

 

『こんな事故がありましたので皆さん気をつけましょう。』だけでは労災は繰り返されます。

人間は過ちを起こすものなので労災を完全にゼロにするのは不可能だと思います。

しかし弛まぬ努力によって、限りなくゼロに近づけることは出来るのではないでしょうか? 

社員1人1人に家族があり生活があります。

人や企業の安心・安全を守る警備業であるからこそ社員の安心・安全を守れる会社でありたいですね。