警備業界が抱える深刻な人手不足、それに打ち勝つ為に

警備業界は深刻な人手不足に喘いでおり、当社も長く人材不足に頭を悩ませています。
お仕事の依頼はあっても残念ながらお断りするケースも少なくありません。
それでは何故、警備業界は深刻な人手不足の状態にあるのでしょうか?

1.若い世代の方に人気が無い
交通誘導にしても、施設警備にしても警備の現場はシニア世代が多く、若い世代が少ない業界です。
『令和3年における警備業の概況』によると、30歳未満の若手警備員は全体の僅か10.5%しかいません。
※令和3年度警備業の概況から分かること

逆に60歳以上のシニア世代の警備員はなんと全体の約半数にあたる45.1%となっております。
なぜ若い人に敬遠されるのでしょうか?
例えば交通誘導では天候が大荒れの日でも炎天下でも極寒でも現場立ち続け、やはり大変なイメージを持たれるケースが多いと思います。
そしてやはり警備の現場ではシニア世代の警備員が多く目に留まるので、若い人の仕事ではないと思われるのでしょう。
また多くの場合、若い方にとっては警備員としてキャリアアップし、それに伴い昇給していくイメージが湧かないということもありそうです。

2.人材の定着が悪い
やはり他の業界と比べると、警備業界は人材の定着が悪いという現実も否定出来ないでしょう。
職場環境や福利厚生に魅力がないことも1つの要因です。
例えば人手不足の影響で、なかなか有給も思ったタイミングで取得出来なかったり、長時間労働になったり、そもそも年間休日が少ないといったことが多くの警備会社にあるのではないかと思います。

3.警備需要の増大
単純な話ですが需要>供給というバランスが人手不足を招いています。
今年は警備業法が制定されて50年という節目の年です。
東京オリンピックや大阪万博を契機に発展し、今や3兆5,000億円の市場規模を警備業は有しています。
因みにこの規模は酒類業界、お菓子業界と同規模であり、決して小さな市場規模ではありません。
『水と安全はタダ』と言われた日本においても国民や企業の安全意識は高まり、今後も更に警備業全体の発展は期待出来ます。

確かに深刻な人手不足や労働環境の改善は急務であり、楽観視出来ない状況です。
当ブログ内で何度も繰り返しているように2025年問題を間近に控え、今後より人手不足が深刻化していきます。
またITによる経営の効率化も求められています。
※2025年問題と警備業界

それが茨の道であっても経営者が音頭をとり全社一丸となって理想の姿への変化を追求するか、若しくは現状を無視し茹でガエルになることを選ぶか、どちらかでしょう。
そして当然ながら、当社は前者となれるように精進していくつもりです。

さてそれではどの様にして、人手不足の問題を解決していけば良いのでしょうか?

◎若い世代の方に人気が無いことへの対策
当然ですが若い方への訴求が大切でしょう。
例えば現在、警備会社においてもSNSを有効活用する企業が増えています。
若年層のユーザーが多いInstagramやTwitter、TikTokを用いた情報発信、そこから自社H.Pへの流入獲得で成功している警備会社もありますし、警備会社そのものがインフルエンサーとなっている事例もあります。
とは言っても、ただアカウントを作っただけでは当然効果を得ることは出来ません。
しっかりとターゲット(ペルソナ)を設定して、その対象にリーチ出来る施策を考え、PDCAを回し続けることが大切です。
また自社ホームページもより魅力的な内容にし、SEO対策をしていく必要があります。
そして何より大切なことは若い力を本気で欲し、そこに向かって社内環境を整備することです。
次の項目でも述べますが、人材の定着が悪くては採用が多少うまくいっても何も変わらないからです。

◎人材の定着が悪いことへの対策
何よりも1番重要なのはコミュニケーションです。
現場の警備員が何に困り、何に不満を感じているかをしっかり把握し、それに対する施策を継続的に行うことが大切です。
コミュニケーションの無い会社は現場からの声が、社長や幹部に上がってきません。
『どうせ話しても無駄、何も改善されない』という思考が現場に根付いてしまっているからです。
真摯に現場の声を捉え、皆でより良い施策・方向性を考え実行していくというスタンス、企業文化が重要となってきます。
自分達の意見が反映される会社、組織としての一体感が会社をより良いものにしていくことでしょう。
最近のフレーズで言うなら『心理的安全性』の構築と、従業員エンゲージメントの向上です。

このように書いてはいますが、当社が出来ているかというと・・・
残念ですが現時点では全く出来ていないというのが、私の率直な答えです。

しかし一歩一歩の歩みは小さく、遅くても絶対に良い組織へと進化していきたいという信念を持っています。
その為には優秀でポジティブな社員が必要です!
皆さん一緒により良い会社を作り、お客様と地域社会に良質な安心安全を提供していきましょう!

現在当社では警備業界を就業先としてお考えの皆さんと出会う機会を増やす為に、採用サイトのリニューアルを準備しているところです。
また勤務条件や労働環境を少しでも魅力的なものに出来るように、準備を進めています。

是非、お気軽にお問い合わせ下さい。
皆様からの御応募をお待ちしています。

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