心理的安全性が高い組織を構築するために必要なことは?
皆さん、こんにちは。
皆さんの会社では人材や人事領域に関するお悩みはありませんか?
今回は多くの警備会社が抱えているであろう、人材不足と離職率の高さについて考えてみたいと思います。
多くの警備会社が人材不足に喘いでいると思いますが、何故ですか?
入社する人が少ないという現実もあるかとは思いますが、多くの会社はそれ以上に離職率の高さを原因としているのではないでしょうか?
・警備業界はそういう業界だから
・(中小規模なら)どこの警備会社も大差無いでしょう?
・しっかりと対策はしているのだけれど、成果が表れていない。
・『うちは運が悪いだけ』etc
などと言っていたら駄目ですよね。
それではどの様に離職率を低下させ、人材不足に歯止めをかければ良いでしょうか?
様々なことが考えられますが、根本的な対策としては『従業員が遣り甲斐をもって働ける環境』作りであると私は考えています。
それがこのブログ内でも何度か触れている『従業員エンゲージメント』を高めることです。
【従業員エンゲージメントとは?】
従業員エンゲージメントとは従業員が自分の仕事に対してどれだけ情熱や熱意を持っているか、または自分の会社に対してどれだけ愛着や誇りを感じているかということです。
従業員エンゲージメントが高いと従業員は仕事にやりがいや満足感を得られるだけでなく、会社の目標やビジョンに共感し、積極的に貢献しようとします。
その結果、会社の業績やイノベーション、顧客満足度などにも良い影響を与えます。
逆に従業員エンゲージメントが低いと従業員は仕事に対して無関心や不満を抱き、会社に対しても忠誠心や帰属意識を失います。
その結果として最終的には従業員は転職を決意し、社内の離職率が上がることで生産性や製品(サービス)品質などにも悪い影響を与えます。
従業員エンゲージメントは会社の成功にとって重要な要素です。
従業員エンゲージメントを高めるためには経営陣や幹部が従業員の声を聞き、適切なフィードバックや評価を行い、従業員個々の成長やキャリアの支援をするなどの取り組みが必要です。
また従業員同士の活発なコミュニケーションや協力体制を促進し、チームワークや信頼関係を築くことも大切です。
従業員エンゲージメントは会社と従業員の双方がベクトルを合わせて努力することにより、はじめて向上させることができます。
【従業員エンゲージメント向上の柱は心理的安全性】
また従業員エンゲージメントを左右する大きな柱となるのは、組織における心理的安全性です。
心理的安全性とは自分の意見や感情を表現しても否定されたり、罰せられたり、恥をかいたりしないと感じることです。
心理的安全性が高い組織では役職や年齢等に囚われることなく従業員が互いに認め合い、尊重し合い、協力し合うことで、エンゲージメントや組織における生産性が向上します。
【心理的安全性が高い組織を構築するために必要なことは?】
– 社員全員に主体的な意識を持たせる。
– チームの目標やビジョンをしっかりと共有する。
– フィードバックや意見交換を積極的に行う。
– 失敗やリスクを恐れずに挑戦する風土を作る。
– 互いに信頼、尊重し、支え合う企業文化を醸成する。
心理的安全性が高い組織は、生産性やエンゲージメントの向上、離職の防止、創造性や革新性の発揮など、様々なメリットがあります。
①組織において社員全員に主体的な意識を持たせるには?
– 社員の欲求やモチベーションを理解し、適切な役割や目標を与える。
– 社員の自主性や自律性を尊重し、自分で考えて行動できる環境を整える。
– 社員の成果や貢献を評価し、それに対して適切なフィードバックや報酬を与える。
– 社員の意見や提案を聞き入れ、参画感や主体性を高める。
– 社員同士のコミュニケーションや協力体制を促して信頼関係を構築する。
主体的な意識を持った社員は組織の活性化や生産性の向上に大きく貢献します。
②組織においてチームの目標やビジョンを共有するには?
– チームメンバーが共有するビジョンを明確にする。
– ビジョンに基づき、SMART原則に従って目標を設定する。
– 目標と役割分担をすべてのメンバーに共有して合意形成をする。
– 目標達成のためのタスクやスケジュールを洗い出して管理する。
– 目標達成の進捗や成果を定期的にフィードバックして評価する。
※SMARTの法則とは、目標を達成するために効果的に設定する5つの基準のことで、SMARTは以下の頭文字を表しています。
S: Specific(具体的)
M: Measurable(測定可能)
A: Achievable(達成可能)
R: Relevant(関連性)
T: Time-bound(期限)
例えば、「来年までに英語力を上げる」という目標は、SMARTの法則に沿っていません。具体的にどのくらい上げるのか、どうやって測定するのか、どうやって達成するのか、なぜ英語力が必要なのか、いつまでに達成するのかが明確ではありません。
SMARTの法則に沿った目標とは「来年3月までにTOEICで800点以上を取るために、毎日1時間英語の勉強をする。」というように、具体的で測定可能で達成可能で関連性があり期限があるものです。
SMARTの法則を使うと目標に対するモチベーションや行動計画が明確になります。
またチームの目標やビジョンを共有することでチームの一体感やモチベーション、更に生産性が向上します。
③組織においてフィードバックや意見交換を積極的に行う為には?
– フィードバックの目的や意図を明確にする。
– フィードバックのタイミングや頻度を適切に設定する。
– フィードバックの内容を具体的かつ客観的に伝える。
– フィードバックの受け手の感情や反応を尊重する。
– フィードバックの結果や効果を確認し、改善策を提案する。
フィードバックや意見交換を積極的に行うことで、組織のコミュニケーションや生産性が向上します。
④失敗やリスクを恐れずに挑戦する組織を構築するには?
– トップダウンで挑戦する姿勢や方針を示す。
– 失敗を許容して学びの機会と捉える文化を築く。
– 部署内のチームワークや部署を横断したコラボレーションを促進する。
– リスクテイク(危険の可能性を受け入れて行動をする)思考やイノベーションを評価する仕組みを作る。
– 変化に対応できる柔軟性やスピード感を持つ。
失敗やリスクを恐れずに挑戦する組織は変化が激しい時代においても成長し続けることができます。
⑤互いに信頼・尊重し、支え合う組織を構築するには?
– メンバー間のコミュニケーションを積極的にとる。
– お互いの個性や価値観を理解し受け入れる。
– お互いの意見や提案に対して真摯に耳を傾け、適切なフィードバックを行う。
– お互いの成長や貢献を評価し、称賛する文化を醸成する。
– お互いに業務上の問題や困難に対して、協力や支援を惜しまない。
互いに信頼し尊重し支え合う組織は職場の活性化や生産性の向上につながります。
正直、これらは一朝一夕にどうこう出来るものではありませんし、組織に根付かせる為には、大変な努力と忍耐が必要となってくることは間違いありません。
しかもこれらにゴール(100点)はありません。
常に良い状態へとアップデートし続ける必要があります。
そんなことをする余裕が無いと思う経営者や組織に未来はありません。
ちょっとずつでも良くする為に、経営者や幹部が自らの責務と捉えて、前進していくことで道が拓けるでしょう。
そういう会社を目指していきたいですね!
毎度のことながら自戒の念を込めて。