人手不足の現状

当社では交通誘導警備業務を主体とした業務を創業当初から現在まで行っている。

今から25年前の平成10年に創業したその当時は警備会社が多く誕生した。
世の中は不景気風が吹きデフレの状態が続いた。
そのせいも有って50代中頃の中年男性がリストラされ職を失う状態が続いた。
政府は警備業を成長産業と捉えて後押しし、雇用を促進させる目的で助成金を出して中高年の
就職を支援したのである。

一人雇用するたびに60万円の助成金が支給された。
それも正社員扱いではなくアルバイト扱いである。

今、考えると人を採用するには、こんなに楽で会社を潤すものとなった。
俗に言う「カモがネギをしょってくる」。夢の様な時代であった。
但しその時代はデフレの真最中なので、警備料金の値下げが続出した。
ひどい時には10,500円の契約料金で、とても社員を雇用出来る契約料金ではなく、
アルバイト雇用で7,000円前後で雇用した。
当社は栃木県内で事業しているが福島県では10,000円を割った契約料金が横行して
いた様だ。

徐々に景気も良くなって上向きかげんになってくると警備料金も若干上がっていった。
それでも正社員を雇用出来る様な契約料金ではなかった。
年々、景気も良くなってくると高齢者の年金問題が浮上してきた。
団塊の世代が年金受給者になってくると人口構造のイビツさから非正規雇用から正規雇用を促進させ、
年金体制が歪んでいった。

その頃、つまり今から10年位前から徐々に、人の採用が難しくなった。何とか採用しようとして採用一時金
いわゆる支度金の支給を始めた。5万円から10万円,20万円と出していったが支度金目当ての人が
ほとんどで、支給されると退職していった。

そこで当社では8年前から新卒の採用に力を入れて警備会社では、めずらしい月給制の給与体系にした。
1人・2人採用でき5~6年の間で7~8人の新卒の採用が出来た。
しかし定着はしなかった。

今は方向性を変え比較的、人が集まりやすい施設警備に力を入れ始めた。
営業員を採用し2年後に某食品会社の夜間専属の施設警備が受注できた。
こちらは募集すると、すぐ何人か集まった。

つまり、人は居るが当然職種を選んでいる。

当たり前だがきれいな仕事で楽して稼げる仕事を探している。
施設警備は比較的それに近い。
女性が事務職に就きたいのも同じ。つまり人手不足を解消するには現在の人口構造を見ても判るように
無理だと思う。

では、どうすれば良いか…?

人が集まりやすい業態に変える。きれいな仕事で、楽な仕事にする。
給料も福利厚生も良くする。働く人を最優先にする。

書くのは簡単で、やれないのか…?

出来ないなら現在の仕事をもっと効率よく機械化し、生産性を上げる、福利厚生を充実させ賃金を上げる。
社員ファーストに何事においても考える。