警備業務検定とその役割
以前も警備業において必要となる資格について『警備業と資格』というタイトルで当ブログに掲載しましたが、代表的な資格として『警備員指導教育責任者』と『警備業務検定』という国家資格が挙げられます。
警備員指導教育責任者は警備業界において「指導教(しどうきょう)」若しくは「指教責(しきょうせき)」と呼ばれています。
警備業務の専門知識を有し、警備業務を適正に行う為に指導・教育及び警備現場の管理監督を行う役割を担っており、警備業法において警備業務の区分(1号警備、2号警備、3号警備、4号警備)ごと、また事業所ごとに警備員指導教育責任者の選任が義務づけられています。
詳細はこちらを参照して下さい。
(リンク先 出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』、警備員指導教育責任者)
今回はこちらの警備員指導教育責任者ではなく、『警備業務検定』について書きたいと思います。
警備員として働くにあたり1番身近且つ必要性が問われるのは警備業務検定です。
これは国家資格であり6業務種別、各々2級と1級があります。
・空港保安警備業務
・施設警備業務
・雑踏警備業務
・交通誘導警備業務
・核燃料物質等危険物運搬警備業務
・貴重品運搬警備業務
1級は当該警備現場における統括管理者としての知識及び能力を有していること、2級については警備現場のリーダーとして、自らの判断で適正な警備業務を実施することが求められています。
また2級は警備業法で定められた警備員としての欠格事由等に該当していなければ誰でも受験することが可能ですが、1級については2級の検定合格後、当該警備業務において1年以上の実務経験を積むことが受験の条件となっています。
以前もブログに記載しましたが当社ではメインとなる業務が交通誘導ということもあり、まずは交通誘導2級の検定取得を目指します。
その後、雑踏警備2級及び施設警備2級を取得することを推奨しています。
更に警備員としてステップアップを図りたい人は、実務経験を積みながら上位資格である指導教育責任者や各検定の1級にチャレンジしていくという流れです。
検定を受験・合格し資格を保有するメリットはいくつもありますが、私自身が考えるメリットとしては次の点が挙げられます。
①普段行っている警備実務を知識の面からも底上げし、スキルアップを図る。
実務上決められた手順やルールは、何かしらの理由があり存在します。
こういった危険性があるから、安全を確保する為にこうしなければいけない。
また警備業法をはじめ各種法令でこう定まっているから、警備員としてそれを遵守しなければいけないなど。
そういったことを体系的に学ぶ良い機会であると私は捉えています。
②仕事の幅が広がり、警備員としての自覚と自信が芽生える。
各検定の有資格者は警備業法で定められた資格者配置に則り、現場のリーダー若しくは統括責任者としてより重要度の高い現場を任されたり、部下を持ち教育・指導する立場となります。
『立場が人を作る』という言葉もあるように、今までと違う立場で業務を一生懸命行うことで、その立場に見合った人格形成がなされるということも期待できるでしょう。
③収入がアップする。
多くの警備会社で有資格者には何らかの形で資格手当等により、お給料がアップする制度を設けています。
資格手当の支給条件や金額等は各警備会社によって異なりますので一概に給料が大幅アップとまでは言いませんが、お給料がアップすることは間違いないでしょう。
ちなみに当社では、各検定(交通誘導、雑踏、施設の3種別を対象として)2級取得で資格手当がいくら、また1級取得でいくらと月額固定で資格手当が定まっています。
残念ながら現時点ではまだ1人も該当する社員はいませんが、3種別全てでの検定1級取得を目指して欲しいと思っています。
④警備会社として箔が付く
資格保有者が多ければ多いほど、会社としても箔が付きます。
やはり私自身、同業の大手さんのH.Pを目にしたとき、有資格者が多い会社は教育体制もしっかりしているだろうし、警備会社として頼り甲斐があるのだろうなと感じます。
またそれ自体がアドバンテージとなりますので良いお取引先にも恵まれるでしょうし、企業としての発展性もより期待出来ることでしょう。
⑤検定取得を通して、他社の優秀な警備員や講師の先生方と接することができる
検定の受験者は各警備会社が、この社員にリーダーとなって貰いたい、より上の立場で統括責任者となって貰いたいという想いで送り出している方々です。
また講師の先生方は警備員としても多くの場数を踏み、また高い知識と指導能力を兼ね備えた優れた業界内の先輩方です。
そういった方々と接し時間を共にすることは警備業界で働く以上、プラスにこそなってもマイナスになることは決してないと思います。
是非、皆さんも積極的に資格取得に励みましょう!
私自身も今後、検定1級取得を見据えて頑張っていきたいと思っています。